1993年に日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」が発足しました。当時日本はまだバブルが完全に崩壊していなかった部分があり、投資資金潤沢な大企業をバックにもつクラブが当時、様々な大物を獲得した歴史を持ちます。しかし、1990年代半ばに入ると日本という国の経済の勢いがなくなって潤沢な資産を持つ親会社が減った事と、Jリーグブームの終焉により投資価値が低くなりました。それにより、1990年代後半から2000年代かけては、大物がJリーグにやってきた例を挙げるとストイチコフ(1994年W杯得点王)が柏にきた例くらいしかありませんでした。その後、2002年の日韓ワールドカップ後に代表チームの人気は盛り返しますが、依然としてJリーグについては親会社からすると投資価値が低い状態が続きました。
そんな中、2017年に大きな転機がやってきます。それは、JリーグがDAZNというストリーミング放送局(会社)と10年間で2100億円という巨額の独占放送契約を結んだという事です。一律分配金が一気に跳ね上がって投資リスクが減ったほか、優勝賞金などが増えて、親会社からすると投資価値が高いものとなりました。
その状況に真っ先に反応したのが楽天傘下のヴィッセル神戸で、まず2017年夏に元ドイツ代表のポドルスキが加入して神戸の試合は海外で高い注目を集めるようになります。それに続いて、2018年春にはバルセロナとスペイン代表にて数々のタイトルを獲得してきたイニエスタという世界トップクラスの選手を神戸が獲得して世界に衝撃が走りました。
なお、彼がどれくらい凄い選手かというと、3人の候補選手が表彰式に招かれるFIFAバロンドールにて、世界のトップ選手3人の一人として2回表彰式に出席しています。また、2018年夏には、スペイン代表の僚友であるイニエスタと同じリーグでプレーしたいという事もあってA.マドリッドを退団したフェルナンド・トーレスが鳥栖に加入してこちらも大きなニュースになりました。彼も、FIFA年間最優秀選手と統合される前のバロンドールにおいて、2008年にロナウド、メッシに続いて記者投票で第3位に入っています。