2018年に行われたロシアW杯では、セットプレーからの得点が増加したと言われています。もちろん今までのW杯においても、セットプレーから重要な得点が生み出されるといったことはありましたが、今までのセットプレーからの得点が最大で62ゴール(1998年フランス大会)だったのが、2018年ロシア大会はこれを軽く超えているということは、いかにセットプレーがロシア大会で重要であったかということが分かる結果です。
このセットプレーの得点率は、実は順位を決める大きなポイントにもなっています。セットプレーを重要視して、多くの練習時間を割いてきたイングランドは、1990年以来の準決勝進出を決めていて、優勝候補と言われているスペインやアルゼンチン、ドイツなどは、セットプレーに泣いてロシアの地を後にしています。
こうしたセットプレーの増加は、ロシアW杯から導入されたVAR判定も少なからず影響しているでしょう。今までは審判の経験値と目視によるジャッジがされてきたゴール前のプレーで、ごまかすことのできない、映像による検証が行われることによって、プレー内容に変化が生じているからです。DFはファウルを恐れ、気づかぬ間に慎重になってしまいます。攻撃的なサッカーが出来なくなったとき、得点を左右するのはセットプレーです。少ないチャンスを如何にものにするか、ここが重要となるのです。
ロシア大会ではセットプレーをものにしたチームが上位に勝ち進んでいます。VARの是非はまた別の問題となりますが、今後のサッカーW杯において、セットプレーの重要性が増すことは間違いないと言われています。